Periodontal disease

歯周病について


歯周病について

歯周病とは、歯科の三大疾患の一つで日本人に多い病気で、成人のうち8割がかかっているとされ、歯を失う原因の第1位に挙げられる病気、それが歯周病です。

歯を失う最も多い原因の病気ですが、当院ではむやみに抜歯を行わず、患者さまご自身の歯をできるだけ残す治療を心がけております。 歯周病が進行すると歯が揺れて出血しやすい状態になりますが、患者さまに歯を残したいお気持ちがあれば、それを尊重し最善を尽くします。 再生療法などを用いることで、歯周病の進行を食い止め、改善を目指すこともできます。

また、歯周病のケアのためには継続的な口腔管理が何より大切です。治療が終了後、病態が安定していると判断した場合、病態に合わせて、3〜6ヶ月程度に1回の通院を推奨しております。

歯周病は病態の程度によりますが、「寛解」することはありますが、「治癒」することは少ないと考えております。

治療後、病態が安定したとしても、多くの場合、継続的な口腔管理が必要です。

当院では国家資格を持った歯科衛生士が常勤で6名在籍しており(2022年11月時点)、歯科医師だけでなくチーム全体で患者様をバックアップしてまいります。

ぜひ当院をご利用ください。

歯周病のチェックポイント

  • 歯ぐきが腫れている
  • 歯ぐきが赤みを帯びている
  • 歯ぐきが痛い
  • 歯ぐきから出血する
  • 歯がグラグラと動く
  • 口臭が強くなった
  • 歯が長くなった
  • 歯ぐきから膿が出る

歯周病の原因

歯周病は、細菌が主な原因であり、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。

普段のブラッシングが不十分のままですと、口腔内の細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面に付着します。これをプラーク(歯垢)といいます。

プラークの中には多くの細菌があり、中でも歯周病を引き起こす細菌が多く存在しています。

このプラークの中にある細菌によって歯肉に炎症を起こし、ゆくゆくは歯を支えている骨を溶かし、歯を失ってしまう原因となります。

プラークは毎日の歯磨きで落としきれていないと「歯石」となって歯にこびりつき、専門の器具を使わないと落とせなくなってしまいます。

細菌が直接的な原因になりますが、歯周病を進行させる因子もあります。

  • 糖尿病
  • 喫煙
  • 歯ぎしり・くいしばり・かみしめ
  • 不規則な食習慣
  • ストレス
  • 口で呼吸することが多い

このような方は歯周病になりやすいあるいは進行が速い傾向にあります。

健康な状態の歯とはどういう状態?

骨によって支えられている歯ですが、見た目には歯肉で覆われているため見た目には歯と歯肉しか見えません。 目には見えぬところが大事な部分で歯と歯肉の間には溝(歯肉溝)があり健康な状態であれば溝は3ミリ以内が理想になってきます。

歯冠

エナメル質という非常に固いもので覆われている歯の頭の部分。透明な白色をしている。

歯肉

骨を覆っているお肉の部分。一般的には歯茎ともいわれ、正常な時は、ピンク色をしている。

歯根

歯の根の部分。うすい黄色をしている。

歯槽骨と呼ばれ、歯を支えている一番大事な部分。

歯周病が全身に与える影響

冠状動脈性心疾患

歯周病菌が血管を通じて心臓へ入り込み、心臓の弁や内膜などで炎症を起こしたり、心臓に酸素や栄養を送る血管にこびりついてアテローム(血管沈着物)を作り血管を狭くすることで生じる病気です。歯周病があると、心血管疾患の発症リスクは1.15~1.24倍高まると言われています。

糖尿病

歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯周病にかかっている人が多いという報告がされています。歯周病患者は血糖コントロールが改善しにくくなります。歯周病治療を行うことで炎症が収まり、血糖コントロールの改善に影響を与えると考えられています。

誤嚥性肺炎

気管に入った唾液中の細菌などが肺に感染して起こる肺炎が「誤嚥性肺炎」です。誤嚥とは、本来食べ物は口から食道を経て胃に送られますが、誤って気道から肺へ食べ物が送り込まれることです。それにより、お口の中の歯周病菌がそのまま肺へ吸収されると、肺炎を起こすことがあり、特に寝たきりの高齢者に多くみられます。

早産・低体重児出産

妊娠中の体内に歯周病菌が侵入すると早産のリスクが高くなり、結果低体重児出産が多くなるとの報告がされています。最近の報告によると、歯周病にかかった妊婦さんに低体重児出産が起きるリスクは健常者の4.3倍程度と言われているのです。

段階別における歯周病の症状

  • 軽度(歯肉炎)

    治療期間:約1ヶ月(1~3回)
    歯ぐきの炎症がひどくなり、歯周病菌が歯周組織に侵入。歯槽骨や歯根膜も破壊されはじめます。

  • 中度

    治療期間:約3ヶ月(4~8回)
    炎症がさらに拡大し、歯槽骨も半分近くまで破壊が進み、歯がぐらつきはじめます。

  • 重度

    治療期間:約6ヶ月(8回以上)
    歯槽骨が半分以上破壊され、歯はぐらぐらになります。

重度歯周病を救うための治療方法― 抜歯や悪化を回避するために ―

歯周病により失った骨を回復する治療


骨移植

自分自身の口腔内から骨・血液を採取し、歯周病により失った骨欠損部位に移植することで失われた骨を再生・回復させる方法です。
使用する骨移植材により、以下の4つに分類されます。


  • 自家骨移植
    自分の身体から腸骨などを採取し、そのまま、または顆粒状に砕き骨が足りない部位へ移植する方法です。
  • 他家骨移植
    治療を受ける本人以外の人から採取した骨移植片を用いて、骨が足りない部位へ移植する方法です。
  • 異種骨移植
    ウシやブタ由来から採取した骨移植片を用いて行う方法です。
  • 人工骨移植
    焼結したハイドロキシアパタイトやバイオガラスなどの人工骨を用いて移植する方法です。

エムドゲイン

骨移植と同じように歯周組織を再生させる治療の一つです。歯周組織の再生を促すエナメル基質タンパク質を含んでいるエムドゲインゲルを歯周組織の再生させる部分に注入して再生スペースを確保する方法です。

エムドゲインゲルは、歯の発生過程を再現させる作用があり、歯周病によって破壊された部位の歯根面に塗布することで、歯周組織の再生を誘導させることが可能です。

この薬剤のみで歯周組織を再生させる場合もありますが、自分の骨・血液や吸収性膜を併用して歯周組織を再生させる場合も多くあります。一定期間でジェルは体内に吸収されるので除去が不要です。

SPTについて

SPTとメインテナンスの違い

SPT(Supportive Periodontal Therapy)とは「歯周病安定期治療」のことを指し、病状が安定してきた歯周病組織を維持するために定期的に行う“治療“です。

メインテナンスと混合される方もいらっしゃいますが、メインテナンスは「治癒した歯周組織を長時間維持するための健康管理」と定義されており、治療ではなく“健康管理”とされています。

SPTは治療になるため、患者様の歯周組織の状態を確認しながら歯科衛生士による歯ブラシ指導や歯周ポケット内の洗浄、PMTCや歯科医師による咬合調整などを行います。


歯周病治療の流れとSPTの位置付け

歯周病治療を進める際に大切なことは、歯周病や治療について患者様ご自身が理解していただくことです。理解していただいた上で、適切な治療計画を立て患者様の同意の元、計画に沿って治療を進めます。

今まではメインテナンスとして捉えられてきたところ(図SPTの部分)をこれからはSPTとして捉えることで「治療」としてプロケアを行うこと、患者様のセルフケアでは何が必要なのかを考えることができます。

SPTの目的は歯周病の再発防止、歯周病の進行を最小限に食い止め歯の喪失を予防・減少させるためです。当院の歯科衛生士はプロケアを行うとともにセルフケアで行うべきことをしっかりと患者様に指導をすることでSPTの治療を行っております。


長期継続的なSPTが大切

歯周基本治療を行うことで歯石やプラークが除去され、根面がなめらかになり、歯周ポケット内が清潔な状態になります。すると、結合組織や骨が再生する前にポケットの中を這うようにして上方から上皮が再生し、一見すると治ったように見受けられます。しかし、実際には上皮はセメント質にくっついているだけで非常にはがれやすい状態です。この状態を「長い接合上皮性の付着」と呼びます。

歯周病患者様の場合は、油断をするとすぐに付着が破壊されてアタッチメントロスが発生してしまいます。再びポケット形成が起こる前にSPTを行うことで、付着部分が引き締まっていきはがれにくくなっていきます。そのため、長期継続的にSPTを行うことは良好な状態を維持することに繋がります。


プロケアと同じセルフケアの重要性

病状が安定してきた患者様には、定期的なプロケアが基本になりますが、患者様ご自身が行うセルフケアも治療を行う上で重要になります。セルフケアとは、プロケアによって状態を整えた歯周環境を維持するために、毎日の歯磨きでバイオフィルムが成熟しないようプラークコントロールをすることです。

しかし、バイオフィルムが一度形成されるとセルフケアでは除去できないためプロケアを行います。そしてセルフケアできれいな状態を維持していくように、プロケアとセルフケアのバランスが大事になってきます。


治療の流れ

Step01

スケーリングと歯ブラシ指導

スケーリングとは、歯に付着したプラークや歯石を除去する治療のことです。軽度の歯肉炎や歯周炎であればスケーリングだけで治癒することもあります。超音波式のもの、あるいは手用のスケーラーという器具を用いて行います。 スケーリングと同時に、歯ブラシ指導を開始します。

そもそもの原因である歯ブラシを改善せずに歯石除去だけを行っても、根本的な問題解決にはならないからです。歯磨きのプロフェッショナルである歯科衛生士が、その方の苦手な部分を分析し、その患者さまに最も適した指導を個別に行います。

Step02

SRP

SRPとは、スケーリングとルートプレーニングを合わせた略称です。歯肉縁下(歯茎の内部)の根面に付着した歯石を除去し、その後、根面を滑沢に仕上げるます。こうすることで汚れが付きにくくなり、また歯茎が再度根面にくっつきポケットが減少しやすくなります。

専用の手用のスケーラーという器具を用いて行います。一般的に全ての歯が残っている型では4回〜6回の来院が必要です。

Step03

歯周外科

歯周外科とは、深い部分の歯石を除去したり、歯肉や骨の形態の問題を修正する時、骨などの歯周組織を再生したりすることを目的として行われます。

ただ、すべての方が完治するとは言い切れず、歯や歯肉、骨の形態によっては不適応となる場合があります。 また、効果を実感できるまで多少時の時間が必要です。

Step04

被せ物の治療

被せ物を作るためには歯周組織が健康でなければなりません。被せ物の治療が必要な場合は、歯周病治療が終わってから最後に行います。

Step05

継続的な口腔管理

歯周病は治療が終わっても、ご自宅での正しいケアを怠ると再発してしまいます。 歯垢が固まり歯石になると、歯磨きだけでは落とすことが難しくなります。

歯周病を再発させないためにも、歯科医院で定期的な継続的な口腔管理を受けることをおすすめします。


歯周病の再発防止に、継続的な口腔管理が欠かせません。
歯周病の発症・再発を防ぐためには、日々の生活習慣の改善に取り組むことも大切です。

  • 適切なブラッシング
  • 禁煙
  • ストレスの解消

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